
口腔外科・インプラント
口腔外科・インプラント
自分のお口の中に、何本の親知らずがあるかご存じですか?
きれいな状態で4本生えている方や歯茎に埋まったままの方、あるいは生えてきたものを抜歯したという方…さまざまだと思います。
健康な歯は、一般的に治療をしたり抜いたりしないものです。親知らずが、場合によって抜歯を勧められるのは一体なぜでしょうか。
私たちの口の中には、上下16本ずつの永久歯があります。そのうち、上下左右の最も奥に生えてくるのが「親知らず」です。
永久歯は通常、15歳前後ですべて生え揃います。しかし親知らずに限っては、成人前後のタイミングで生える場合が大半です。「親に知られることなく生えてくる歯」ということで、これが親知らずの語源という話もあります。
親知らずは、必ずしも抜歯しなければならないというわけではありません。
それぞれのケースについてお話しします。
抜歯を勧められる理由の大半は、親知らずが横や斜め向きに生えているためです。最後かつ最も奥に生える親知らずは、顎骨が小さい場合萌出するスペースがありません。その結果、横や斜め向きで生えてしまうのです。
歯は、真っ直ぐに生えた状態で正しく噛み合わなければ、本来の機能を果たしてくれません。横や斜め向きの歯を放置すると悪影響を及ぼす可能性があるため、抜歯を推奨されます。
生えてきた親知らずがきちんと噛み合い、真っ直ぐな状態であれば抜歯の必要はありません。たとえ上下のどちらかが斜めに萌出していても、その歯が十分にケアできており日常生活に支障をきたしていなければ抜く必要はないと思います。
親知らずを残すことで、将来的に、入れ歯やブリッジの支えとなる歯に使用できる可能性があるからです。
また埋まったままでなかなか生えてこない歯に関しても、真っ直ぐな状態であれば経過観察で構いません。
なかなかご自身では判断が難しいと思いますので不安な場合は、お気軽にご相談ください。
歯科健診などでお口の中を拝見した際、親知らずの抜歯を推奨することがあります。
そのときは、早めの抜歯をご検討ください。理由は次の通りです。
隣の歯のむし歯リスクが高まるため
親知らずの付近は、歯ブラシがうまく届かず磨きづらい傾向にあります。親知らずはもちろん、その1本手前の歯にも注意しなければなりません。
むし歯が見つけにくい上に、もし治療が必要となった場合も、器具がなかなか届かないため最善の治療を受けられないことがあります。
加齢に伴い身体へ負担がかかるため
私たちは年齢を重ねるにつれて、回復力や免疫力が徐々に低下します。それに伴い、口腔トラブルが起こる可能性が高くなります。何らかの症状で親知らずの抜歯が必要となった場合、体力が衰えた高齢者には大きな負担がかかって危険です。術後の早期回復を目指すためにも、抜歯が必要な場合は早めに行いましょう。
皆様は、インプラントがどのような治療であるかをご存知ですか?
インプラントは、むし歯や歯周病などにより歯を欠損した箇所に行う補綴治療の一つです。
欠損部分の顎骨へ、人工的なチタン製の物質を埋入して歯を補綴します。
補綴治療はインプラントだけでなく、入れ歯やブリッジといった選択肢も存在します。それぞれに異なるメリットやデメリットがありますが、各々の欠点をすべてカバーしたのがインプラント治療です。
たとえばインプラントは、歯の支えとなる「歯根」が残っていない場合でも、治療が可能となります。このように、幅広い症例に対応できる点がインプラントの一番の魅力です。
インプラント治療には、数多くのメリットがあります。
一般的にブリッジをする場合、両隣の健康な歯を削らなければなりません。私たちにとっても患者様自身にとっても、健康な歯はできるだけ削りたくないものです。一度削った歯は元には戻りません。
その点インプラントは、周囲の健康な歯を削る必要がありません。欠損部分の治療のみで完結することがほとんどなので、ほかの歯への負担を減らすことができます。
骨がやせることを防げる
歯を失うと咀嚼がしづらくなり、骨が少しずつやせていきます。たとえ補綴治療をしていたとしても、入れ歯などでは咀嚼の刺激が顎骨へ伝導しにくくなるため、骨がやせることは免れません。
一方でインプラントは、歯根を顎骨へ埋入するという手術を伴います。そのため治療後はしっかりと噛み合わせることができて、顎骨にも刺激が与えられます。
骨がやせていく心配がないため、治療後の口腔トラブルが起きにくいとされています。
入れ歯に比べてしっかりと噛める
歯の補綴治療を行うにあたり、手軽さで最も選ばれているのが入れ歯です。価格が比較的手頃で、誰でも取り扱いやすいという点が好評です。しかし入れ歯は、天然の歯に比べると噛む力がかなり劣ります。
部分入れ歯はもちろん、総入れ歯であればなおさらです。
しっかりと噛めないことで噛む力が徐々に衰え、食事などの日常生活で苦労するようになります。
一方インプラントでは、このようなことはありません。まるで天然の歯のように、違和感なくほどよい力で噛むことができます。より自然な噛み心地を求める方に適しています。
まるで天然の歯のような見た目
自然な見た目を希望する方には、インプラントが最適です。
たとえば入れ歯の場合、部分入れ歯では金属部分が見えてしまいます。また総入れ歯の場合、全体の見た目に違和感が生じることがあります。
一方インプラントでは、歯根をしっかりと固定したうえで自然な見た目の被せ物をします。患者様一人ひとりの歯の色になじむ色の被せ物を使用するので、違和感のない見た目に仕上がります。また欠損部分のみで治療が完結するため、金具などが見える心配もありません。
当院では必ずデジタルサージカルガイドを利用し安全・安心な治療を行います。
精密な検査を行い、インプラントを安全に行えると診断した場合に限り行いますのでご安心ください。
また骨が不足している場合や骨粗鬆症、糖尿病などの既往歴がある場合は身体の安全を最優先しお断りさせていただくことがあります。その際は他の最善の治療案をしっかりご説明いたします。
インプラント治療の実施後、日常的なメンテナンスを怠ると「インプラント周囲炎」と呼ばれる「歯周病」のような症状を引き起こしてしまいます。埋入させたインプラント体(人工歯根部)とそこに接続されているアバットメント(支台部)の間で起こる炎症のことで、気づかずに症状が進行していき、炎症が歯槽骨まで広がる可能性があります。このまま進行してしまうと、骨が吸収されてしまいインプラントが脱落することもあります。
メンテナンスやブラッシング不足によって歯垢や歯石が蓄積し、細菌が感染してインプラント周囲炎を引き起こしてしまいます。
②大きな力
インプラントには天然の歯に存在する歯根膜(クッションの様な働きをする組織)がありません。このため、噛んでも沈み込まないという状態ですので、噛む力が直接被せ物(人工歯)に伝わります。このようなことで、強い力で噛んだ際その圧力が直接歯槽骨に伝わり、インプラント周囲炎の引き金になってしまいます。
インプラントは、天然の歯と比較して炎症の抵抗力が極めて低いものとなっています。これはインプラントが顎骨に直接ボルトを埋め込んでいるものにすぎないということと関係があります。つまり、天然歯の周りの組織よりも栄養血管が少なくなってしまうため、必然的に抵抗力が低くなってしまうという特徴があるのです。このため、通常のセルフケア以上にお口への配慮を行う必要があります。
当院では、歯科衛生士によって術後に患者様に適したブラッシング指導を実施させていただいております。また歯のクリーニングも実施し、効果的なメンテナンス法をご案内しています。
せっかく取り戻した「噛める喜び」ですので、失わずに済むように日々のケアや定期メンテナンスを強く心がけてください。当院も全力を挙げてサポートさせていただきます。
分からないことがありましたらお気軽にご相談ください。
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